2015年1月26日月曜日

先日の鈴木重子先生のクラスで、

先生自身のウォームアップを紹介して頂いて、

みんなでやってみるという、かなり興味深く有難い体験をしました。

歌と管楽器はほとんどといっても良いくらい身体の使い方は共通していて、

歌手から学ぶことは山のようにあり、憧れもあります。

僕自身、生まれ変わったら、

「リトルマーメイドのセバスチャン」

「アラジンのジーニー」

「美女と野獣のルミエール」

になりたいと結構本気で思っています。

3人の人柄に惚れ込んでいるのも理由です。

さて、

ウォームアップの趣旨は

空気を送ることに目覚めてもらう

ということと

舌、顎、口、喉などの筋肉に目覚めてもらうこと。

そのなかで、身体の色んな部分を振動させて、振動しやすい身体にしていきます。

(合わせシンバルを鳴らす前にちょっとシンバルを振るわせておくのに似てるでしょうか?)

まず、仰向けに寝て膝を軽く立てます。

暫く、ただただ呼吸を観察します。

ほんとうに、ただ観察するだけです。

好きなだけ観察したら、今度は息を吐ききって暫く止めます。

暫く止めたら口と鼻を同時にゆるめて息が入ってくるのを許します。

これも好きなだけ。

そうしたら今度は自分に優しくハミング。

サイレンのように上がったり下がったり。

好きなだけ。

今度は舌を前後に動かしながらハミング。

その後は起き上がって、歩きながらハミング。

「ウ」で歌う。

唇をぶるぶるしながら歌う。

声帯が強く閉じられているような「ア゛ー」で歌う。

「狼の遠吠え」。

「猫の鳴き声」鼻にかかった声。

「狂ったオペラ歌手」。

「S」の子音で。

壁にくっついて、壁の振動を観察する
「壁とデュエット」。

などなど、面白がりながら、

それぞれの順番も長さも自由に行っているそうです。

各エクササイズは、身体のそれぞれの部分や機能を観察しやすい形になっていて、

僕自身とても興味がある「ヴォイシング」も網羅していそうです。

みんなでウォームアップしている時に、重子先生が

「舌が引っ込んでいたら、前にもいけるよー」

とおっしゃっていたので、

少し気になったのでクラスが終わったあとに質問に行きました。

皆さん楽器を吹いていて、舌が引っ込んでいること、ときどき有りませんか?

なんか舌に力みがあって、スムーズに動かなかったり。

トランペットの場合、舌が力んだり、引っ込んだりしていると、

高い音がしんどい、タンギングがおそい、音がこもる、バテる。

みたいなことになります。

そうさせているのは自分自身なんですけど。

重子先生には

「我々はどうして舌を引っ込めちゃったり、力んだりしちゃうんですか?」

と質問しました。

すると、

「理由はいくつかあって、それらが複合的に舌の状態を作り出している」

ということ。

まず、

『息が足りていない』

舌や喉で代用して何らかの圧力を作り出そうとしている結果、舌が力んだり引っ込んだりする。

そして

『舌のある場所の勘違い』

奥のほうに舌があると思っていると、舌が力んだり引っ込んだりする。

そして、そして

『舌を前に出す筋肉が舌の根元のほうにあると思っちゃってる』

正しくは舌のすぐ下。僕の場合、これを知っただけでタンギングが速くなりました。

一番びっくりで納得してさすがだなと思ったのは

『軟口蓋(のどち〇このあたり)が柔らかく使えていないのに、柔らかく使っているときのような音色を求めたとき』

例えばわざと音を籠らせたり、

わざとバッチくならないようにその場をしのいだり、

ダブル、トリプルタンギングがずっと続いて自滅したり(軟口蓋が柔らかく使えていないと、Kタンギングを力ずくでやることになりそう)

っていうときは舌が力んだり引っ込んだりしています。

舌だけにフォーカスして考えましたが、

実は舌は、喉や、呼吸筋や、腕とも繋がっていて、

色んなことが絡み合ったその結果、

舌に不都合な真実が現れるわけです。

じゃあどうすりゃいいのよってなりますよね。

やっぱりそういうときは

「頭が動いて、身体全部がついてくる」

「頭と脊椎の関係性をおねがいして」

「私の首はどれくらい楽だろうか?」

という

アレクサンダー・テクニークを使って、

実験、観察です。

重子先生の豊富な知識、深い探究心、考え抜く力、

そして何にも執着していない、自然で優しい声に感服いたしました。

ありがとうございました!