2014年11月1日土曜日

絶対に動いちゃいけない状況なんて無い

先日のアクティビティレッスンで私は、

「絶対に動いちゃいけない状況ではどうしたら良いですか?」

と質問しました。

そうすると、ジェレミー校長は

「絶対に動いちゃいけない状況なんてありません!」

と一蹴。

オーケストラで仕事をしていると、本番中において、

近所の人がシビアなSoloを演奏してるときや、

首席トランペットがセクションに合図を出しているとき、

オーケストレーションの薄いところでTACETのときや、

コンサートマスターの合図で以て音の処理を見極めるときなどは、

絶対に動いてはいけないような状況だと感じてしまいます。

もちろん、首席奏者でもないのに合図を出したり、絶対的なテンポから外れた動きをしてたら論外です。

しかし、お行儀よくするということや、

良い演奏の為の手垢だらけのルールとしてとか、

まわりに迷惑をかけないようにすることが、

動いてはいけないと過剰に思い込み、

ココロとカラダの硬直に繋がっているとしたら、

結果としてパフォーマンスを損ねてしまいます。


心臓だって動いているし、呼吸だってしています。

演奏中はカラダ全部動かしています。

文字通り「絶対に動いちゃいけない状況なんて無い」んです。

というか不可能です。

私たちは、フォームやポジションを静止画でイメージしがちですが、

実際は動きの中での出来事です。


先日、ベルリンフィルホルン奏者のサラさんと、
ベルリンフィル首席トランペットのガボールさんが対談する生中継で、

ガボールさんによるとても興味深い発言がありました。


発音、息の送り方、ヴォイシング、音のイメージを全て含んで、


THAAA


ということばで表していました。

TA

でも

TH

でも

TAA

でもなく、

THAAA

なんです。

Hが入っている所や、

AAAと続く所なんかが見事に動きを表してると思いませんか?

物事を動きでとらえるという考え方、

ワクワクします!